ECサイトとは
ECサイトとは、インターネットを利用した商取引をおこなうWebサイトです。商品やサービスをオンラインで販売・購入するためのプラットフォームで、消費者と事業者が直接取引をします。
ECサイトは24時間365日、いつでもどこでも取引が可能で、地理的な制約を越えて広範囲の顧客に対して販売活動をおこなえます。
また、商品の情報を詳細に掲載し、ユーザーレビューや評価を公開することで、消費者は自宅からでも十分な情報を得て購入判断を下すことが可能です。
さらに、ECサイトは物流や在庫管理、決済手段など、ビジネスのあらゆる面で効率化ができます。しかし、ECサイトを運営するには、サイトの設計や運営、商品の管理、顧客サポートなど、多くの要素を考慮する必要があるでしょう。
日本国内のEC市場とは
近年、インターネットの普及とスマートフォンの利用者増加に伴い、EC市場の規模は年々拡大しています。
EC市場の拡大には、店舗へ行けない地方の方や、時間的制約から店舗での買い物が難しいという消費者のニーズが反映されています。
また、物流インフラの整備や決済手段の多様化も、EC市場の成長を後押ししている要因です。
一方、消費者の利便性向上や商品の購入体験の向上を図るため、ユーザビリティの高いサイト設計や、安全性の確保、多様な消費者ニーズに対応するための商品ラインナップなど、さまざまな課題が存在しています。
このような背景から、各ECサイトは独自の戦略を立てて市場での競争を繰り広げており、その結果として日本国内のEC市場は日々進化し続けています。
取引形態でのECサイトの種類一覧
取引形態でのECサイトの種類は、主に下記があげられます。
• BtoB型ECサイト
• BtoC型ECサイト
• CtoC型ECサイト
• DtoC型ECサイト
• BtoE型ECサイト
取引形態別でのECサイトを理解しないまま選択してしまうと、自社のサイト設計と異なり、最大限の利益を生めないかもしれません。
効果を最大限発揮するためにも、取引形態におけるECサイトの種類を確認しましょう。
BtoB型ECサイト
ECサイトが取引形態により分類されるひとつのタイプが、BtoBです。
BtoBのECサイトは、一般消費者向けではなく、特定のビジネスユーザー向けに特化した商品やサービスを取り扱っています。
さらに、個別の需要に対応するためのカスタマイズが可能であったり、大量注文に対応した価格設定があったりするのが一般的です。
ただし、BtoBのECサイトを構築・運営するには、顧客の業種やビジネスモデルを深く理解し、そのニーズに合わせたサービス提供が求められます。
BtoC型ECサイト
BtoCは、企業から一般消費者への取引をおこなう形態を指します。BtoCは、日常的に利用するような大手のオンラインショッピングサイトや、専門店のネットショップなどを想像するとわかりやすいでしょう。
これらのサイトは、商品の種類、価格、在庫状況、配送方法などの情報を提供し、消費者が自由に商品を選び購入できるように構築されています。
BtoC型ECサイトの特徴は、規模の大きさと商品の多様性です。また、直感的な操作性や見やすいデザイン、詳細な商品情報提供など、一般消費者がストレスなく利用できるよう配慮されています。
さらに、レビューや評価機能を設け、消費者同士のコミュニケーションを促進し、商品選びの参考にすることも一般的です。
CtoC型ECサイト
CtoCは、一般の消費者が他の消費者に直接商品やサービスを提供するモデルを指します。インターネット上でおこなわれるオークションやフリーマーケットが代表的な例です。
CtoCの特徴としては、一般の消費者が自分の所有物を直接売却したり、自分が欲しい商品を他の消費者から直接購入できたりする点があげられます。
しかし、商品の品質保証やトラブル時の対応など、販売者と購入者間の信頼関係を築くことが難しいという課題も存在します。
そのため、CtoC型のECサイトでは、商品の評価システムや安全な取引を支える仕組みなどが重要となるでしょう。
DtoC型ECサイト
DtoC(Direct to Consumer)とは、製造業者が直接消費者に製品を販売する取引形態です。
近年、製品の価格透明性を求める消費者のニーズや、製造業者のマーケティング戦略の一環として、DtoC型のECサイトが増えています。
DtoC型ECサイトの最大の特徴は、製造業者が直接消費者との関係を保てる点です。これにより、製造業者は消費者のフィードバックを直接受け取り、製品やサービスの改善に役立てられます。
また、製造業者が直接販売することで、小売業者・卸売業者を通さずに製品を消費者に提供でき、コスト削減や価格設定の自由度が増すというメリットもあるでしょう。
しかし、DtoC型ECサイトを運営するには、製造業者自身が物流、顧客対応、マーケティングなどを行う必要があります。これらの業務は専門的な知識やスキルが欠かせないため、運営にはコストと労力がかかります。
BtoE型ECサイト
BtoE(Business to Employee)型ECサイトとは、企業と従業員間の取引を支える社内販売用のECサイトです。
通常、企業は従業員に対して特定の商品やサービスを割引価格で提供するために利用します。BtoE型ECサイトは、従業員が企業の製品を試す機会を提供し、結果的に製品の改善や社内の士気向上につながるケースがあります。
BtoE型ECサイトの主な目的は、従業員の満足度とエンゲージメントを向上させる点です。これにより、従業員のロイヤルティが向上し、長期的に従業員の離職率の低下や生産性の向上につながる可能性があります。
構築方法でのECサイトの種類
ECサイトの構築方法は、大きく分けて下記2つに分類されます。
• モール型
• 自社EC型
ECサイトは構築方法によって、発揮できるポテンシャルが異なります。自社が求める販売方法と構築方法に乖離が生まれてしまうと、利益の最大化ができないかもしれません。
構築方法での種類の違いを理解し、自社のビジネスモデルや予算、運営体制に合わせて選択しましょう。
モール型
モール型とは、大手EC企業が提供するプラットフォーム上で、各ショップが商品を販売する形式のECサイトです。主に、Amazonや楽天などがモール型に該当します。
モール型の最大の特徴は、既に集客力がある大手のプラットフォーム上に店舗をあげられる点です。これにより、新規にECサイトを立ち上げる際の集客に関する、手間やコストを大幅に削減できます。
しかし、大手が規定するルールに従う必要があり、自由な店舗運営や独自のブランディングが難しいというデメリットも存在します。
モール型は販売手数料を大手に支払う必要があるため、利益率は他の型に比べてやや低めになる傾向です。
このように、モール型は立ち上げや運営の手間を省きつつ、大手の集客力を活用できるというメリットがありますが、自由度や利益率の面では制約も多いという特性をもっています。
関連記事:ECモールとは?種類や費用、メリット・デメリットを解説
自社EC
自社ECサイトとは、企業が自社のWebサイト上で商品やサービスを販売する形式のECサイトです。
企業自身がすべての運営を手掛けるため、コントロールができる一方で、システムの構築から運用、改善まで自社でおこなう必要があります。
自社型ECサイトの最大の特徴は、ブランドイメージを自由に表現できる点と顧客データを自社で管理できる点です。これにより、自社の商品やサービスに特化したマーケティング活動を展開できます。
ただし、システムの開発や運用には専門的な知識が必要であり、初期投資や運用コストも考慮する必要があります。流通量を確保するには、自社の知名度や集客力が問われるでしょう。
自社型ECサイトは自由度が高い反面、リソースや経験が求められるため、適切な運用方法を理解し、自社の事業状況に合わせた運用が重要です。
自社ECにおける構築手法の種類
自社ECを行いたい場合、構築手法として複数の選択肢があります。この章では以下の構築手法を解説していきます。
• ASP型
• パッケージ型
• フルスクラッチ型
ASP型
ASP型とは、Application Service Providerの略で、企業が自社のサーバーにシステムを構築することなく、インターネットを介してサービスを利用する形態です。
ASP型の最大の特徴は、初期費用が抑えられる点です。自社でシステムを構築するとなると、高額なコストが必要となりますが、ASP型ではその必要がありません。
また、システムをレンタルするため、専門的な知識がなくてもECサイトを運営できます。さらに、システムのアップデートや保守もプロバイダー側がおこなうため、運営者は商品の管理や販売に専念できます。
しかし、ASP型には自社オリジナルのシステムを作りたい場合、カスタマイズが難しいという点がデメリットとしてあげられるでしょう。
他社との差別化を図りたい場合も、同じプロバイダーを利用している他の企業と同じシステムを利用するため、競争優位性を出しにくいという問題があります。
パッケージ型
パッケージ型ECサイトとは、専門業者が開発したソフトウェアパッケージを導入して運営する形式です。
パッケージ型の最大の特徴は、自社でいちからシステムを構築する必要がないため、時間とコストを抑えられる点です。
また、パッケージとして提供されるソフトウェアは、専門業者によって長年にわたる運用経験とノウハウが凝縮されており、安定した運用ができます。
しかし、パッケージは性質上、自由度が低く、自社の独自ニーズに完全に合わせるのは難しい場合があります。
そのため、導入する際は自社のビジネスモデルや戦略、将来的な拡張性を考慮する必要があるでしょう。
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型とは、企業の自社ECサイトをゼロから作り上げる構築手法を指します。
既存のパッケージやASPを使用せず、自社のニーズや要望を完全に反映させることが可能な一方、開発には専門的な知識と時間が必要となります。
フルスクラッチ型の最大の特徴は、その自由度の高さと独自性にあります。自社のビジネスモデルやユーザーのニーズに合わせてデザインや機能を調整することができるため、ユーザー体験(UX)を最大化することが可能となります。また、他の企業とは異なる独自のサービスや機能を導入することで、競争優位性を確立することも可能です。
しかし、フルスクラッチ型の欠点も無視できません。開発には技術力とコストが必要となり、運用・保守にも専門的な知識が必要となります。
また、開発期間も長くなりがちで、市場環境の変化に迅速に対応することが難しくなる可能性もあります。これらの点を考慮に入れ、自社のリソースとニーズに合った構築手法を選択することが求められます。
ECサイトの構築におけるポイント
ECサイトの種類・構築方法での種類を理解した後は、構築におけるポイントを確認しましょう。下記4つのケースを取り上げ解説していきます。
• BtoC向けECサイト
• 自社型ECサイト
• ASP型ECサイト
• パッケージ型ECサイト
各ECサイトによってポイントが異なるため、それぞれを確認していきましょう。
BtoC向けECサイト
BtoC向けのECサイトは、企業から一般消費者への販売をおこなうためのものです。BtoC向けECサイトは、消費者が商品やサービスを直接選んで購入できるように設計されています。
一般的な構築方法としては、商品の詳細説明、価格、購入手続きなど、消費者が求める情報と使いやすさを提供することが重要です。
安全なオンライン決済システムの導入や、購入後のフォローアップなど、消費者の信頼を得るための要素も欠かせません。
BtoC向けECサイトは、企業の売上増加やブランドイメージの向上、顧客満足度の向上など、多くのメリットをもたらします。
しかし、競争が激しいため、他のECサイトと差別化するための戦略や、顧客のニーズを的確に捉えるマーケティングの視点もポイントとなるでしょう。
自社型ECサイト
自社型ECサイトは、企業自身が運営管理する形態のECサイトのことであり、独自性やブランドイメージを高めることが可能な一方で、運営には相応のリソースが必要です。
自社型ECサイトを構築する際には、自社の商品やサービス、ターゲットとする顧客層を明確に定義する必要があります。そのうえで、ショッピングカート機能や決済方法、配送方法などの必要な機能をリストアップしましょう。
次に、サイトのデザインやUI/UXを考慮して、顧客が使いやすく、見やすいサイトをデザインします。
また、SEO対策も重要で、商品名や説明文などのキーワード選定、内部リンクの設定、ページのロード速度の最適化などをおこなうことで、検索エンジンからの流入を増やすことが可能です。
ASP型ECサイト
ASP型ECサイトの構築方法は、提供会社との契約をおこない、使用するプランを選択します。プランは、販売商品数や利用する機能により異なるため、自社のビジネスモデルと予算に応じた選択が求められます。
次に、サイトデザインやレイアウトを選択し、商品情報の登録です。これらの作業は、提供会社の管理画面から直感的に進められます。
その後、配送方法や決済方法を設定し、テスト販売をおこないながらサイトの動作確認を実施します。問題がなければ、正式に公開し、運用を開始します。
ASP型ECサイトの場合、提供会社のサポート体制が充実しているケースが多いため、運用中のトラブルや機能追加の際も安心して利用できます。
パッケージ型ECサイト
パッケージ型ECサイトは、自社でECサイトを一から作り上げるのではなく、事前に設計されたテンプレートや機能を元にサイトを構築していく方法です。
大手ECサイトが提供するパッケージを利用することで、比較的短期間でECサイトを立ち上げられます。
パッケージ型ECサイトは後々の運用も容易で、専門的な知識がなくても更新や管理ができるというメリットがあります。しかし、テンプレートに沿って作成するため、独自性を出すのが難しいというデメリットもあります。
そのため、自社の商品やサービスに特化した独自のサイトを作りたい場合は、自社型やASP型といった他の構築方法を検討する必要があるでしょう。
ECサイト構築の種類を選ぶ際のポイント
ECサイト構築における種類選びのポイントは、下記のとおりです。
• 自社のビジネスモデルに合った種類の選択
• コストと機能性のバランス
• サポート体制の確認
• 高いセキュリティ性
自社のビジネスモデルに合った種類の選択
適切なECサイトの選択は、自社のビジネスモデルと要件を深く理解することから始まります。
たとえば、商品の種類と量、ターゲット顧客、予算、技術的な能力、運営の簡便性などが重要な要素です。各ECサイトのメリット・デメリットを確認してみましょう。
■モール型
メリット:集客力が強い
デメリット:自由度が低い
■フルスクラッチ型
メリット:自由度が高い、競合との差別化をはかりやすい
デメリット:集客や運営コストがかかる
■ASP型
メリット:初期投資が低く、運営がしやすい
デメリット:独自性がない
■パッケージ型
メリット:自由度と独立性の両立ができる
デメリット:独自性が出せない
モール型は集客力が強い一方で、自由度は低くなります。フルスクラッチ型は自由度が高いですが、集客や運営にはコストがかかります。
ECサイトの種類には、メリット・デメリットがあるため、自社のビジネスモデル合った選択をすることが大切です。
また、BtoC向けのECサイトは一般消費者に直接商品やサービスを提供するのに適していますが、BtoBの場合は異なる要求があります。
自社のビジネスモデルにもとづいて、上記の選択肢から最適なECサイトの種類を選ぶことが、事業成功の鍵となるでしょう。
コストと機能性のバランス
ECサイトの選択において、コストと機能性のバランスも重要なポイントです。まず、ECサイトに必要な機能をリストアップしましょう。
具体的には、商品の登録や更新、在庫管理、決済方法の設定、顧客の管理、マーケティング機能などです。
次に、これらの機能を提供しているECサイトのコストを調査します。初期費用、月額費用、取引手数料、その他の必要な費用など、すべてのコストを把握することが重要です。
ただし、コストだけを重視して機能性を犠牲にすると、ビジネスの成長に影響を与える可能性があります。
また、マーケティング機能が充実していないと、商品の販売促進や顧客とのコミュニケーションが難しくなるでしょう。
そのため、コストと機能性のバランスを見極めるには、自社のビジネスモデルや目標、予算、必要な機能などを総合的に考慮することが必要です。
サポート体制の確認
ECサイトサービスを選ぶ場合に見逃せないポイントのひとつが、サポート体制の確認です。
ECサイトの運営は、商品の掲載から注文管理、在庫管理、顧客対応まで多岐にわたるため、スムーズに運用するためには適切なサポートが欠かせません。
サポート体制を確認する際には、サポートの提供時間や対応体制をチェックしましょう。24時間体制でサポートを提供しているか、万が一のトラブル時に迅速に対応してくれる体制が整っているかは重要なポイントです。
さらに、トラブル解決のためのマニュアルが整備されているか、独自の質問に対してきちんと答えてくれるかも確認が必要です。
サイトの初期設定やカスタマイズに対するサポートがある場合、初めてECサイトを運営する際にも安心できます。
サポート体制がしっかりと整っているサービスを選ぶことで、スムーズな運営と長期的なビジネスの成功に繋がるでしょう。
高いセキュリティ性
ECサイトサービスを選ぶ際は、セキュリティ性が欠かせません。インターネット上での商取引が増えるにつれ、悪意のある第三者からの不正アクセスやデータ漏洩のリスクも増大します。
情報漏洩はビジネスにとって重大なダメージを及ぼす可能性があるため、ECサイトはユーザーの個人情報を保護し、安心して取引がおこなえる環境を提供することが大切です。
具体的には、SSL暗号化通信の導入、不正アクセス対策、クレジットカード情報の安全な取り扱い、パスワード管理などのセキュリティ対策が必要です。
また、ECサイトが外部のセキュリティ認証を取得しているかどうかも、チェックポイントとなります。
これらのセキュリティ対策により、ユーザーは安心して商品を購入でき、企業は信頼性とブランドイメージを向上させるでしょう。
まとめ:ECサイト選びの重要性と選択肢
ECサイトの種類は、ビジネスの成否を左右する重要な決断です。適切なECサイトを選ぶことで、事業の拡大、売上の向上、顧客満足度の向上など、さまざまなメリットを享受できます。
一方、自社のビジネスモデルやニーズに合わないECサイトを選んでしまうと、効率的なビジネス運営が難しくなり、結果的にビジネスの成長を阻害する可能性もあります。
各ECサイトにおける種類を理解し、自社のビジネスに最適なECサイトを選ぶことで、成功への道を切り開くことが可能です。適切なECサイト選びを通じて、ビジネスの更なる発展を目指しましょう。
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スタジオカレンは1998年の創業以来、9,000を超えるさまざまなWebサイト制作に携わってきました。
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